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暗記力も人間の一種の才能であることを示すのが、他ならぬ孔子なのです。 さて、宮中の書庫には、どんな書物があったのでしょうか。 詩経を含めた、所謂古詩、逸詩の元になったもの、書経の原籍、春秋の原本、礼の元ネタ、その他諸々、膨大な資料が埃を被って寝ていたと思われます。 ですが、覚えるのはそれだけではありません。 古代の「書籍」は普通、「経」の部分と「伝」の部分に分かれます。 詳細は姉妹編の真説「春秋」に記していますが、古代は紙に相当する木簡が大変な貴重品で、どうしても記録する必要がある事柄だけ、木簡に記載しました。 そして、木管に残せない部分は、史(史官)と言う名の「記録装置」に記憶させ、代々、口伝えで伝えてきました。 ですから、「伝」なのです。 これも、孔子は覚える必要があります。 ですから、「毎事問」なのです。「経」と「伝」で1セットなのです。 伝は人に教わらねばなりません。 どうでしょうか。これだけでも、孔子が「学問の神様」くらいになっても、おかしくないではありませんか。 (続く) 追記 真説「春秋」、真説「論語」、並びに真説「孔子」を、故宮崎市定先生に捧げます。
by 3-shikou
| 2008-01-17 22:31
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