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漆彫啓(漆彫開)の怪しい点は、その字の多さにあります。 子開、子啓、子若。「子」のついた字を3種類も持つのは、この人物しかいません。 仲由(子路、季路)の場合ははっきりしています。 季路は(名付け)親から貰った最初の字。 孔子の弟子として無事学業を終え、就職するに際して「免許皆伝」の証に、孔子から授かった新たな字が子路)です。 これに対し、漆彫啓(漆彫開)は、「子開、子啓、子若」と3種類の字を一度に貰ったか、3度に亘って孔子から新たな字を授与されたかの、どちらかということになりますが、いずれも有り得ないことです。 おそらく、名前は「啓」、字は「〇開」(〇の部分には排行が入ります)と考えられます。 「子若」は、後生の付加。有子の字(彼と同じ字)を隠すためです。 とすると、このようなぞんざいな扱いをされるのは、架空の人物か、曾子-孟子側にとって敵方、つまり季孫子側の人物ということになります。 結論:漆彫啓(漆彫開)は、季孫子の内臣団の一員。 追記 真説「春秋」、真説「論語」、並びに真説「孔子」を、故宮崎市定先生に捧げます。
by 3-shikou
| 2008-02-04 21:10
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